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[No.936-1]ロックとクラシック

No.936-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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(・・・ん?)

駐輪場に着いた時、虫の鳴き声が聞こえてきた。

「すっかり、秋ねぇ~」

鳴き声の余韻を学校まで落ち込んでしまった。

「・・・熱でもあるの?」
「おいっ!」

おそらくコオロギか鈴虫だろう。
虫に詳しくない私でも、それくらいは分かる。

「別に珍しい話じゃないじゃん?」
「そうなのよね・・・」

自分も不思議だった。
どこかで聞いているはずなのに、今朝は妙に心に残った。

「疲れてんじゃない?」
「ま、まさか!」

確かに夜更かしが日常化している。
けど、まだ若さでカバーできる年齢だ。

「すごく、心に染み入るというか・・・」
「そこまで行くと、詩人レベルね」

たかが虫の鳴き声だ。
なのに、今朝は本当に気分がいい。

(No.936-2へ続く)

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