[No.934-1]静かなケンカ
No.934-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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中学生の時、親友と一度だけ大喧嘩をしたことがあった。
「でもね・・・」
「大喧嘩なんだけど」
周りには喧嘩していることさえ伝わらないレベルだった。
「・・・どういうこと?」
「つまり・・・」
つかみ合いでもなく、口げんかでもない。
例えとしては不適切だが、“冷戦”という言葉が似合う。
「早い話、それ以来、口をきかなくなったの」
「・・・原因は?」
当時、仲直りするまで喧嘩の原因は分からなかった。
それに、その原因が“私に”あったことも。
「話しかけられた時、そっけない態度をとったらしくって・・・」
もちろん自覚はなかった。
でも、自覚がないからこそ、もめる原因になるのも確かだ。
「でも、そんなこと、なくないよね?」
「私もね、そう思ったんだけど・・・」
簡単に言えば、真相はこうだ。
私の疑問に対して、わざわざ調べて答えを用意してくれた。
「それなのに無関心だったのが、許せなかったみたい」
真相も、仲直りした時に聞かされた。
「しばらく理由が分からなくて悶々としてた」
ある日、意を決して親友と向き合ってみた。
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