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[No.931-1]家族になりたい

No.931-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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(・・・ん?)

台所から、鼻歌が聞こえきた。
ただ、鼻歌というには大き過ぎるレベルだ。

「何だか楽しそうだね?」
「・・・なんかゆうた?」

朝食の準備をしているせいか、声が届かなかったようだ。
何かと台所が騒がしいからだ。

「何だか楽しそうだね!!」

意識してやや大きめの声でしゃべり直した。

「そんなに大きな声でゆわんでも、聞こえてるで」

軽いコントが始まりそうな予感がした。
まだ、朝の7時だ・・・それは勘弁して欲しい。

「どうしたんだよ、朝から?」

それを回避するには、横着せずに近付いた方が良いだろう。

「ほら、見てん!」

ウィンナーと目玉焼きを焼いている。

「おっ!美味しそうだな!」

目玉焼きの黄身が、鮮やかなオレンジ色だ。
それに、プリプリ感が半端ない。

「どこの卵?」

高級感が漂う、立派な卵だ。
僕のために用意してくれたと思うと嬉しくなる。

「いやぁ~ありが・・・」
「なに一人で盛り上がってんねん!」
「主役はこっちやで!」

そう言うと、ウィンナーを菜箸で2、3度転がした。

(No.931-2へ続く)

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