[No.934-2]静かなケンカ
No.934-2
「そしたら・・・」
原因となる出来事を話してくれた。
「親友だったからこそ、油断してたのかも」
ある意味、何をしても通じていると思った。
まさに“親しき仲にも礼儀あり”に欠けていたと言える。
「さっきも言ったけど、そんなつもりはなくって」
繰り返しになるが、自覚もなかった。
けど、この手のことは相手がどう思うかに尽きる。
「友達だからこそ気をつけるべきことがあるよね?」
「そう・・・友達という関係は“免罪符”じゃない」
誤解を招きそうだが、友達だからこそ気遣いが必要だ。
「それからというもの“良い意味”で気を使ったわ」
「うん・・・わかるわかる!」
平たく言えば、友達を大切するということに他ならない。
「なるほど・・・」
目の前の親友が、妙に納得した表情をしている。
嫌な予感がしなくもないが・・・。
「なに警戒してるのよ?」
「そうじゃなくてさぁ・・・」
そう言うと、腕をまわしてきた。
「ちょ、ちょっとなに!?」
「気にしない!気にしない!」
確か、仲直りした帰りも、こんなだったっけな・・・。
(No.934完)
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