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[No.932-1]フーとハー

No.932-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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(・・・まただぁ・・・)

「ん!?」
「なに険しい顔してるのよ?」

そりぁ・・・険しい顔にもなるだろう。

「ねぇ、さっきから、ため息すごくない?」
「えっ・・・ごめん・・・」

驚いたことに演技はないと思う。
いわゆる“クセ”は、自分では気付けないものだ。

「そんなに凄い?」

恐る恐る聞いてきた。

「そりゃもう!」

ため息自体が悪いとは思っていない。
問題は別のところにある。

「ため息を聞くと、こっちまで元気がなくなっちゃうよ」

ため息をつきたいなら、ひとりの時にして欲しい。
それなら好きなだけ“ついても”構わない。

「なんか、伝染するというか・・・」

生気を吸い取られるかのごとくだ。
ある意味、ため息が与える影響は大きい。

「ごめん、全然気付いてなかった」

そう言うと、“ハァ~”と大きなため息をついた。

(No.932-2へ続く)

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