[No.931-2]家族になりたい
No.931-2
「こっちぃ!?」
見た感じ、ごく普通のウィンナーに見える。
その証拠に・・・。
「これいつもの・・・だよな?」
商品のパッケージをチラ見する。
「そうやで!」
「“そうやで!”って・・・」
いつものウィンナーがなぜ主役なのか?
全く検討が付かない。
「期間限定かなんか?」
今度は商品を手に取り、マジマジとパッケージを見つめる。
・・・が、そんな文言はひとつも書いていない。
「なにゆうてんねん、いつものやで」
「それより、見てん!」
そう言われても、いつものウィンナーが4本焼かれているだけだ。
切れ目もいつも通りだ。
「“見てん”と言われても僕には・・・」
「もぉ、しゃーないなぁ・・・」
そう言うと、ウィンナーを菜箸で並べ始めた。
「・・・はい!」
「何だよ!?“はい”って!?」
ただ、何らかの規則に従って並べたようだ。
「左右に大きなのが2本・・・」
それに挟まれるかのように、真中に小さなのが2本・・・。
(No.931完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(038)小説No.926~950」カテゴリの記事
- [No.950-2]半年先にあるもの(2019.12.01)
- [No.950-1]半年先にあるもの(2019.11.30)
- [No.949-2]目薬(2019.11.28)
- [No.949-1]目薬(2019.11.27)
- [No.948-2]モジモジ(2019.11.24)
コメント