[No.928-1]なぜか落ち着く店
No.928-1 [No.863-1]今年の夏は
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「今年は何もなかったわね・・・」
「ようやく成仏したのかな?」
その一言は、友人なりの“ユーモア”だった。
「そうかもしれないね」
ここ数年、墓参りに行けば必ず“何か”が起こっていた。
今年は何もなく、たまたま立ち寄ったカフェに座っている。
「似てる店員さんがいるとか?」
「それは行き過ぎでしょ・・・」
テレビのドッキリ企画なら有り得る話だろう。
「それなら・・・」
どうしても、“彼女”に出てきてほしいらしい。
確かに、その気持ちはゼロではない。
「いっそのこと、ご本人登場!なんてどう?」
「・・・あのね」
でも、もし・・・そうなったらどう対処すれば良いのだろう。
友人の言葉を否定しつつも、考えずにはいられない。
「でも・・・本当に成仏したのかもしれないね」
色々、やりたいことがあったはずだ。
それを思うと、やりきれなくなる。
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「(038)小説No.926~950」カテゴリの記事
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