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[No.930-1]電車を見送る少女

No.930-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「・・・“鉄ちゃん”だっけ?」
「ん?えっ・・・なに?」

友人の言葉に我に返った。

「どうしたの?電車なんか見つめちゃって」
「いや・・・その・・・それじゃなくって」

別に隠す必要がないけど積極的に言いたくもない。
“その先”をアレコレ聞かれるのが怖いからだ。

「もしかして、あの女の子?」

さすが友人・・・察しが早い。
確かに、電車に向かって手を振る女の子を見ていた。

「たまに見かけるね」
「そうね」

実際、私もそうだった。
電車というより、むしろ乗客や乗務員に向かって手を振った。

「そしたら、車掌さんが手を振り返してくれたり・・・ね」

今まさに、その光景が目の前で起こっている。

「こんな経験が大切なんだよね!」

そう・・・良くも悪くも、友人の言うとおりだ。

(No.930-2へ続く)

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