[No.928-2]なぜか落ち着く店
No.928-2
「それならそれでいいじゃん!」
もし、今まで何かしらの未練があって・・・。
何かに姿を変えて、私たちの前に現れていたとしたら・・・。
「けど、私たちの会話って・・・」
「“アレ”が“居る”のが前提?」
私の一言に、友人が大笑いした。
「そ、そうみたい!」
恐怖心はない。
むしろ、温かいものを感じる。
「そりゃそうでしょ?」
「私たち、極度の怖がりでしょ?」
“彼女”はそれを知ってる。
だから、仮の姿で出てきてくれると思っている。
「本当に本人が登場すれば、腰が抜けちゃうよ」
「だね」
良い意味で、信じていないから言える話だ。
「でも・・・何もないのも寂しいね」
「・・・そうね」
ほんの少しだけ、しんみりした時間が流れた。
「話は変わるけど・・・いい店ね」
「ほんと!すごく落ち着くというか」
(No.928完)
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