« [No.928-1]なぜか落ち着く店 | トップページ | ホタル通信 No.404 »

[No.928-2]なぜか落ち着く店

No.928-2

「それならそれでいいじゃん!」

もし、今まで何かしらの未練があって・・・。
何かに姿を変えて、私たちの前に現れていたとしたら・・・。

「けど、私たちの会話って・・・」
「“アレ”が“居る”のが前提?」

私の一言に、友人が大笑いした。

「そ、そうみたい!」

恐怖心はない。
むしろ、温かいものを感じる。

「そりゃそうでしょ?」
「私たち、極度の怖がりでしょ?」

“彼女”はそれを知ってる。
だから、仮の姿で出てきてくれると思っている。

「本当に本人が登場すれば、腰が抜けちゃうよ」
「だね」

良い意味で、信じていないから言える話だ。

「でも・・・何もないのも寂しいね」
「・・・そうね」

ほんの少しだけ、しんみりした時間が流れた。

「話は変わるけど・・・いい店ね」
「ほんと!すごく落ち着くというか」
S928
(No.928完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.928-1]なぜか落ち着く店 | トップページ | ホタル通信 No.404 »

(038)小説No.926~950」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.928-1]なぜか落ち着く店 | トップページ | ホタル通信 No.404 »