« [No.925-1]ロンサム・シーズンⅡ | トップページ | [No.926-1]黄色のラケット »

[No.925-2]ロンサム・シーズンⅡ

No.925-2

俗に言う自然消滅だったと思う。
少しずつ距離が遠のいていった。

「そうなのかな?」
「何だよ・・・違うのか?」

別にケンカをしたわけでもない。
それに少なくとも僕は彼女のことを嫌いになっていない。

「私だってあなたのことを嫌いになったわけじゃない」

気付けば、1ヵ月が過ぎ、さらに半年が過ぎていった。
その内、これに慣れてしまった自分が居た。

「言い方がよくないけど・・・」
「何だか、肩の荷が下りたというか・・・」

言いようのない不思議な安堵感がそこにあった。

「そう・・・」
「・・・ごめん」

とは言え、結局別れた理由にはなっていない。

「言っとくけど、別によりを戻そうというわけじゃないのよ」
「・・・分かってるさ」

もちろん共通の友達もそれをも見越した計らいだ。

「でもね・・・」

そう言ったまま、しばらく考え込んでしまった。

「・・・何だよ、はっきり言っていいぞ」
「曲が始まってから53秒後が私の言いたかったこと!」

何の曲だよ?

(No.925完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.925-1]ロンサム・シーズンⅡ | トップページ | [No.926-1]黄色のラケット »

(037)小説No.901~925」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.925-1]ロンサム・シーズンⅡ | トップページ | [No.926-1]黄色のラケット »