[No.929-2]気が強い女
No.929-2
(連絡・・・忘れてた)
急ぐあまり、遅れることを連絡していなかった。
そんな時の“スマホ”のはずなのに。
「ごめん、焦ってて・・・」
この言葉に嘘はない。
本当に、頭から抜け落ちていた。
「全く・・・今度そうなったとしても・・・」
「冷静に対処すること!」
社会人一年生に怒られる、五年目の僕が居た。
「りょーかい!」
「返事だけは、威勢がいいんだから・・・」
もし、彼女と結婚でもしたら完全に尻にひかれるだろう。
彼女の気の強さは、すでに社内でも有名だ。
「予約、19時だったよね?」
「そうだよ」
幸いにも、予約の時間には何とか間に合いそうだ。
「さぁ、走るわよ!」
そう言うと、さっそうと走り出した。
「プッ!何だよ・・・その走り!」
気の強さとは裏腹な、何とも乙女チックな走り方だった。
(No.929完)
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