[No.929-1]気が強い女
No.929-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「もぉ!遅いぃ!」
到着するなり、開口一番に怒られた。
まぁ、30分も遅刻すれば必然的にそうなるだろう。
「ほ・ん・と・・・ごめん!」
途中、スマホを忘れたことに気付いた。
大急ぎで取りに戻ったものの、結果はこうだった。
「スマホくらいいいじゃん!」
「そうはいかないよ」
別にゲームをしたいとかSNSを見たいとかではない。
これがないと待ち合わせもままならないからだ。
「待ち合わせ場所を決めてなかっただろ?」
ある意味、悪い風潮かもしれない。
時間と最寄り駅を決めたら、後はその日次第だ。
「まぁ・・・そう言われたらそうだけど」
「だろ?」
決まっていたら、取りには戻らなかった。
僕にとって、スマホは必需品じゃない。
「なんか、話をズラしてない?」
「そ、そうかな・・・」
どうやらこのまま押し切るのは無理っぽい。
仕方ない・・・もう、一度、素直に謝っておこう。
「とにかく、ごめん!」
「今度から、連絡くらいしてよね!」
彼女の言葉にハッとした。
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