[No.918-1]飛び出し注意!
No.918-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「前から思ってたんだけどさぁ・・・」
「なによ、あらたまって」
とは言うものの、今、言う必要があるのだろうか?
学校に着いてからでもいいはずなのに。
「この辺りになると、ゆっくり走ってない?」
「・・・ゆっくり?」
正直、自分の走りを気にしたことはない。
いつも通りの速度で自転車を漕いでいるつもりだ。
「多分、このわき道に入ったら・・・だと思う」
わき道と言っても、自転車でも十分すれ違うことができる。
「学生が歩いてることが多いから?」
自分のことなのに疑問形になってしまった。
「それはこっちのセリフだよ!」
「・・・だよね」
自分では意識したことはない。
だから、本音を言えば私が聞きたいくらいだ。
「強いて言えば走り難いからじゃない?」
「今は草刈してるからいいけど・・・」
しばらくすれば、また生えてくるだろう。
そうなると、このあたりは雑草でうっそうとなる。
「まぁ・・・そう言われたらそうだけど」
自分でも分からないまま、わき道を先に進む。
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