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[No.917-1]新しい生活

No.917-1     No.856-1 売物件

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「・・・あっ」

小さく声が漏れてしまった。

「ほら、以前、話したことがあっただろ?」
「・・・何だか聞いたことがあるフレーズね?」

そう言えば、話の切り出し方が前と同じだった。

「まぁ、それはさておき・・・」

さっさと話を進めたい。

「・・・ということは例の家?」
「よく覚えてるな!?」

それなら話が早い。

「今日、敷地内に車がとまってて」

いわゆる営業車や工事車両じゃない。
一般の乗用車だ。

「・・・ということは」
「あぁ、入居者が決まったみたい」

以前から、業者らしき人が出入りしていたのは知っていた。
だから入居に向けた動きは察知できていた。

「そう・・・」
「・・・うん」

関わりが全くゼロではないため、少し複雑な気分だ。

「けど、それはそれで良かったんじゃない?」

僕にとっては、ある意味そうかもしれない。

(No.917-2へ続く)

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