[No.920-1]あの日のように
No.920-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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永遠の別れでもないのに泣いてしまう・・・。
小さい頃はそんな泣き虫少年だった。
「そんな感じには見えないけどね」
夏休みになると、父を残して家族で祖母の家を訪れていた。
「父は後で来るんだよね」
当時は一緒に来れないことを不思議に思っていた。
でも、今はその理由は明確だ。
「だいたい、そうよね?」
「私のうちもそうだった」
場合によっては、お盆休みが取れない時だってある。
「それで、父が見送りに来てくれるんだけど」
なぜか、その時に号泣する僕がいる。
「別れるのがつらいから?」
記憶が曖昧だが、それしかないだろう。
他に何があるのか・・・自分に聞いてみたいほどだ。
「数日後には会えるのにさぁ」
駅のホームで、“ぐずっていた”ことは鮮明に覚えている。
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