[No.916-2]中二から
No.916-2
「中二なったら、クラス替えがあっただろ?」
それからの彼女に何があったか知らない。
いや・・・そこから目を背けていた。
「違うクラスになってホッとした?」
「・・・正直に言えば・・・そうかもしれない」
クラスが違えども、様子を見に行くことはできる。
高校になってからは駅で何度か彼女を見掛けたこともあった。
「・・・声、掛けてくれればいいのに?」
「ごめん・・・後ろめたくて・・・」
高校生にもなると、さすがに僕らの関係を知る者はいない。
だから、彼女が標的になることもなかったはずなのに。
「ほんと・・・変わらないね!」
「やさしいというか、気が弱いというか・・・」
事実を知ることが怖くて、彼女から逃げていた。
「でも、今頃どうして?」
「うん・・・実は・・・」
就職のため、住み慣れた地を離れることになった。
「そうなんだ・・・」
「だから、最後に謝っておこうと思って」
意を決して、彼女の家を訪ねた。
「・・・スッキリした?」
「ごめん・・・一方的に・・・」
やはり、蒸し返してしまったことに変わりない。
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