[No.918-2]飛び出し注意!
No.918-2
「スッキリしないけど、とにかく急ぎましょ!」
いつもギリギリで学校に到着する。
だからこそ、私の行動が気になるのかもしれない。
「そうだね!」
確かに無意識の内に、スピードが落ちている。
もしかして、このわき道は・・・
「微妙に坂になってるのかな?」
「それとも、なにか因縁がある・・・」
昔、ホラー漫画で似たようなシーンを見た記憶がある。
墓場の前を通ると、ものすごく重い老婆が背後にとり憑く。
「ちょ、ちょっと朝から脅かさないでよ!」
「もしかしたらその老婆が・・・」
自分で言っておきながら、背筋が寒くなった。
その展開では、私に“憑く”ことになるからだ。
「冗談よ、冗談!」
「そんなことあるわけないじゃん!」
・・・その時だった。
「キャァァーアッーーーー!」
友人の叫び声だった。
・・・と同時に、急ブレーキで自転車を止めた。
「ほら、もうすぐよ!」
あの日以来、私たちはわき道をゆっくり走ることにした。
モヤモヤしていた理由がハッキリしたからだ。
(No.918完)
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