[No.920-2]あの日のように
No.920-2
中学に入ってからは、そんな傾向はなくなった。
「反抗期?」
「・・・だな」
逆に見送りに来ない方が良かったくらいだ。
顔を合わせるだけでも、意味もなくイライラしていた。
「でもさぁ、不思議なもので・・・」
就職を機に地元を離れることになった。
そんな時、昔の自分が蘇ってきた。
「6年分の失われた時間が・・・」
「・・・一気に押し寄せてきた感じだったな」
そして、旅立ちの日を迎えた。
「しばらく過ごす寮の近くまで来てくれて」
そして駅のホームで別れた。
「・・・あの日のように?」
「あぁ・・そうだな」
唯一、違うのは“ぐずってはいなかった”ことだ。
でも・・・最後に“ぐずって”みたかった。
(No.920完)
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