[No.916-1]中二から
No.916-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「なぁ、覚えてる?」
「・・・何を?」
もし、忘れているのだとしたら蒸し返すことになる。
できれば忘れていて欲しい。
「ほら・・・なんていうか、中一の時・・・」
「・・・なんだ、そのこと?」
やや拍子抜けするような返事が返ってきた。
「もちろん!忘れるわけはないわ」
「・・・だよな」
彼女とは小学生から仲が良かった。
それは中学生になっても続いた。
「気にしてるの?」
「そりゃ、そうだろ!」
やや強めの口調で返した。
「あれから何年経ってると思ってるのよ?」
「君だって、忘れてなかっただろ?」
中学に入ると、急に異性を意識し始める。
ただ、それは男子よりも女子の方が先だ。
「まぁ、そう言われたらそうだけど」
僕たちの仲の良さは、一部の女子から反感を買った。
ただ、その矛先は全て彼女に向けられた。
「ずっと気になってて・・・」
露骨なイジメこそ無かったが、彼女は孤立した。
「へぇ~そうなんだ?」
興味がなさそうな返事がかえって、胸が苦しくなる。
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