[No.923-1]虹の彼方へ
No.923-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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(・・・ん?)
向こうから来た人が、スマホを空にかざし始めた。
「・・・なに挙動不審な行動をしてるんだよ?」
「えっ!?わたし?」
何かあると思い、キョロキョロしたのが失敗だった。
「ほら、あの人・・・」
空になにかあるらしい。
あらためて、その方向に視線を向けた。
「・・・あっ!」
うっすらだが、虹が大きな弧を描いていた。
かなり久しぶりに見た気がする。
「ほら、見て見て!」
「いてて・・・何だよ、急に!?」
つい、彼の肩を強く、叩いてしまった。
興奮覚めやらぬうちに、彼にも見て欲しい。
「虹よ!に・・・じ・・・」
叫んでいる最中にも、さらに虹が薄くなっている。
消えるのも時間の問題といったところだ。
「虹?どこだよ」
彼が振り向いた時には、完全に消えてなくなっていた。
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