[No.924-1]さっきのグー
No.924-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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(・・・あれ?)
今年は・・・いつもの年と違うかもしれない。
「やっと、出会いがあったわよ」
出勤するなり、仲の良い同僚に報告した。
「そう・・・やっぱり、セミ?」
「なんで、そうなるのよ!?」
とは言え、悲しいかな“モノ”は違うが方向性は当たっている。
私の顔にそう書いてあるのだろうか?
「ほら、その手?」
「・・・手がどうした・・・」
言い掛けて気付いた。
無意識のうちに、手が“グー”の形を作っている。
「また、“その中に”居たんでしょ?」
「・・・で、セミなわけ?」
「ううん・・・今回は違うの」
なぜかしら、エレベーターを待っていると彼らと出会う。
「今回はセミじゃなくて、バッタだったの」
「ちょっと、小さめの・・・」
薄いグレーのような茶色のような・・・そんなやつだ。
メジャーな緑のやつじゃない。
「バッタ!?」
「・・・ほんと、躊躇なくさわれるよね?」
それに関しては否定しない。
でも、だからと言って虫が好きなわけじゃない。
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