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[No.921-1]セミと私

No.921-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「今年はまだ?」

同僚が唐突に聞いてきた。

「・・・何よ、まだって?」

とは言え、あれこれ頭をよぎる。
心当たりがないわけじゃない。

「今時期、まだと言ったらアレしかないでしょ!?」
「あのね・・・クイズ形式はいいから・・・」

このまま進められたら面倒だ。
さっさと結論を求めた方が良いだろう。

「ユーモアが通じない人ね!」
「それって関係あるの!?」

いわゆる言い掛かりの典型的な例だ。
今風に言えば、逆ギレだ。

「アレと言えば、セミと私でしょ!」
「・・・あっ!私って言っても、あなたのことよ?」

出来ればこんな話は昼間にして欲しい。
朝は、心も体も本調子じゃない。

「で、そのセミと私がどうしたって・・・」
「・・・あっ」

言い終えて気付いた。
そう・・・今年はまだだった。

(No.921-2へ続く)

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