« [No.922-1]それと同じ | トップページ | ホタル通信 No.401 »

[No.922-2]それと同じ

No.922-2

「事情を知ってるからじゃないの?」
「色々説明しなくても・・・」

確かにそれは言える。
父親に届けていることも、写真から想像できたくらいだ。

「想像?」
「ある日、バス停の時刻表の写真が送られてきて」

“日に数本しかない”とのメッセージが添えられていた。
最初は、その意味が分からずにいた。

「プチ旅行かな・・・と思ってた」

その内、バス停と料理の写真が同時に送られてくるようになった。

「・・・それで気付いたんだ」

彼女の実家の住所も何となく知っていたからだ。
最初の内は、料理自慢か、ノロケ話を想像していた。

「気付いて欲しかったのかもね?」

最近では週末に大量のLNEが届くのが恒例になった。

「でもさぁ、何で僕なんだろうね?」
「好意を持たれているとは思えないけど」

それが嬉しい勘違いであってほしい気持ちもある。

「まぁ、女子ってそんな所があるかもね」
「なんだよ、“そんな所”って」

全く・・・相談した意味がない。

「じゃぁ、聞くけど・・・」
「どうして、私に相談したの?」
S922
(No.922完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.922-1]それと同じ | トップページ | ホタル通信 No.401 »

(037)小説No.901~925」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.922-1]それと同じ | トップページ | ホタル通信 No.401 »