[No.922-2]それと同じ
No.922-2
「事情を知ってるからじゃないの?」
「色々説明しなくても・・・」
確かにそれは言える。
父親に届けていることも、写真から想像できたくらいだ。
「想像?」
「ある日、バス停の時刻表の写真が送られてきて」
“日に数本しかない”とのメッセージが添えられていた。
最初は、その意味が分からずにいた。
「プチ旅行かな・・・と思ってた」
その内、バス停と料理の写真が同時に送られてくるようになった。
「・・・それで気付いたんだ」
彼女の実家の住所も何となく知っていたからだ。
最初の内は、料理自慢か、ノロケ話を想像していた。
「気付いて欲しかったのかもね?」
最近では週末に大量のLNEが届くのが恒例になった。
「でもさぁ、何で僕なんだろうね?」
「好意を持たれているとは思えないけど」
それが嬉しい勘違いであってほしい気持ちもある。
「まぁ、女子ってそんな所があるかもね」
「なんだよ、“そんな所”って」
全く・・・相談した意味がない。
「じゃぁ、聞くけど・・・」
「どうして、私に相談したの?」
(No.922完)
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