« [No.910-1]声援 | トップページ | ホタル通信 No.395 »

[No.910-2]声援

No.910-2

更に競技場へ近づく。
声援もますます大きく聞こえてくる。

「走る人も応援する人も皆、気持ちは一緒!」
「・・・何よ、すごく良いこと言うじゃない?」

なにか引っ掛かるが、まぁ、いいだろう。

「体がムズムズしてきたわ」

じっとしていられない・・・そんな感覚だ。
何かが呼び起こされようとしている。

「青春に逆戻り?」
「・・・かもしれない!」

若者の声援に触発されて、少し若返った気分だ。
それに背中を押されているようでもある。

「けど、そんな気にもなるよね」
「うん・・・声援パワーって無視できないもん!」

あの頃も、随分と声援に助けられた。

「ちょっと、寄ってく?」
「・・・そうね」

昔を思い出して、大声で声援を送るのも悪くない。
走る若者に対してだけではない。
今の私自身に対しても言えることだ。
S910
(No.910完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.910-1]声援 | トップページ | ホタル通信 No.395 »

(037)小説No.901~925」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« [No.910-1]声援 | トップページ | ホタル通信 No.395 »