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[No.914-1]かなぶん

No.914-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「あ・・・ね・・・・」
「ちょっと聞いてよ!!」

私の言葉は友人の大きな声で掻き消された。

「ど、どうしたの?」

先に話を聞いた方が賢明な雰囲気だ。
それからでも遅くないだろう・・・多分。

「ここに来る前に」
「かなぶんが、飛んできてさぁ」

(・・・かなぶん?)

「そいつが私の胸に飛び込んできたの!」
「・・・ちなみにかなぶんってなに?」

何となく想像は付くが、一応確認したほうがいいだろう。

「なにって、これくらいの虫にきまってるでしょ?」

親指と人差し指で、500円硬貨程度の輪を作る。

「これからの季節、街灯とかに集まってくるやつ」

さすが、生物部に所属していただけのことはある。
動植物に加えて、昆虫にも詳しい。

「私の豊満な胸に飛び込んでくるなんて10年早いの!」

とは言うものの、飛び込んでもおかしくない服装だ。
胸の部分が大きく開いているからだ。

(No.914-2へ続く)

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