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[No.914-2]かなぶん

No.914-2

「それで、そのかなぶんは?」
「もちろん、つまんで放り投げたわ」

なるほど・・・つじつまがあってきた。

「ほんと、失礼しちゃうわね!」

よほど頭に来ているらしい。

「かなぶんだって、悪気があったわけじゃないでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」

確かにディナーを前にすればそんな気にもなるだろう。
そのために、おしゃれをして来たのだから。

「とにかく、そのみどり色のかなぶんのことは忘れて・・・」
「ディナーを楽しみましょ!」

その瞬間、友人の表情が険しくなった。

「・・・みどり色?」
「ん?そうよ、光沢のある・・・」

(・・・あっ)

「確か・・・かなぶんって知らなかったよね?」

まるで推理小説の“犯人”のようだった。
つい、ボロがでてしまった。

「だから、会ったそうそう言おうとしたの!」

肩の上に、何か付いていますよと。
S914
(No.914完)
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