[No.914-2]かなぶん
No.914-2
「それで、そのかなぶんは?」
「もちろん、つまんで放り投げたわ」
なるほど・・・つじつまがあってきた。
「ほんと、失礼しちゃうわね!」
よほど頭に来ているらしい。
「かなぶんだって、悪気があったわけじゃないでしょ?」
「そりゃそうだけど・・・」
確かにディナーを前にすればそんな気にもなるだろう。
そのために、おしゃれをして来たのだから。
「とにかく、そのみどり色のかなぶんのことは忘れて・・・」
「ディナーを楽しみましょ!」
その瞬間、友人の表情が険しくなった。
「・・・みどり色?」
「ん?そうよ、光沢のある・・・」
(・・・あっ)
「確か・・・かなぶんって知らなかったよね?」
まるで推理小説の“犯人”のようだった。
つい、ボロがでてしまった。
「だから、会ったそうそう言おうとしたの!」
| 固定リンク | 0
「(037)小説No.901~925」カテゴリの記事
- [No.925-2]ロンサム・シーズンⅡ(2019.08.06)
- [No.925-1]ロンサム・シーズンⅡ(2019.08.04)
- [No.924-2]さっきのグー(2019.08.02)
- [No.924-1]さっきのグー(2019.07.31)
- [No.923-2]虹の彼方へ(2019.07.30)
コメント