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[No.913-2]胸に聞いてみた

No.913-2

「ただ、国語とは言っても・・・」

別に言う必要はないが、なぜか聞いて欲しくなった。

「授業で詩・・・今で言えば、ポエムってやつが・・・」

小学生離れした内容を書いていた。

「そうだと思った!」
「なんで分かるんだよ!?」

話をあわせているようで、逆に腹立たしい気分だ。
決して悪気はないのだろうが・・・。

「それは・・・な、い、しょ!」
「そりゃないだろ!?」

そこが一番知りたい部分だ。

「自分の胸に聞いてみたら?」

散々聞かれたあげく、急に突き放された気分だ。

「なんだよそれ・・・」
「いいから!いいから!」

強引に僕の右手を掴んだ。

「ちょ、ちょっと・・・」

抵抗する間もなく、右手を胸に押し付ける。
ただ、僕の胸ではない。

「えっ!?」

激しく波打つ、心臓の鼓動が手に伝わる。
S913
(No.913完)
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