[No.906-2]春の衝撃
No.906-2
「・・・花びら?」
「い、いや・・・その・・・ごめん」
エイプリフールとは言え、少し度が過ぎたようだ。
病気やケガは、嘘じゃ済ませられない。
「ごめん・・・エイプリフールにちなんで・・・」
「・・・本当に心配したのよ」
彼女の表情がみるみるうちに曇ってくる。
「心配かけて、本当にごめん!」
「本当に本当に・・・」
曇り空は、大雨に変わった。
「・・・でも、良かった・・・何事もなくて・・・」
あらためて彼女を好きになった。
ここまで僕のことを心配してくれるなんて・・・。
「花びらが頭に当たったので・・・それで」
「・・・もう、いいよ」
少しずつ、晴れ間が見え始めた。
「私、こんな嘘付く人、嫌い!・・・別れましょ?」
「・・・えっ!?嘘でしょ・・・」
急に雷が落ちてきた気分だ。
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