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[No.904-1]そこに山があるから

No.904-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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いつ無くなったのか、ハッキリとは覚えていない。
気付けば無くなっていた。

「やま?・・・マウンテンの?」
「そうだよ」

家の近くに、山があった。
とは言え、子供たちが名付けた通称に過ぎないが・・・。

「物心付いたら、そこにあったんだよね」

高さは、二階建ての家ほどだったと思う。
ただし、あくまでもの子供の感覚だ。

「何かの目的で土砂が盛られていたと思うけど」

でも、誰かが管理しているようには見えなかった。
立て札もフェンスも何もなかったからだ。

「出入り自由?」
「あぁ、全くのフリー状態」

そうなると子供たちの格好の遊び場になる。

「でも、危なくない?結構、高そうだけど・・・」

確かに今では考えられないかもしれない。

「ケガのひとつやふたつ、当たり前の時代だったからね」

それを肯定するわけじゃない。
でも、それが普通だった。

(No.904-2へ続く)

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