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[No.907-1]頭隠して・・・

No.907-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「プッ!それでも隠れたつもり!?」

その間抜けな行動に、思わず声が出てしまった。

「朝からなんだか楽しそうじゃない?」
「だってぇ~」

朝のあの光景が頭から離れない。

「・・・もしかして、新しい彼でも出来た!?」
「えっ!?なんで知ってるのよ!」

出来たことではなく、“別れた”ことを。

「あらそう・・・」
「全く・・・もぉ・・・」

その落胆振りは、私のことを気遣ってのことだろうか。
いや、多分・・・違う。

「じゃあ、なに?」
「今日、会社に来る前に・・・」

一匹のネコが前方から歩いてきた。
時々見掛ける、茶色いネコだ。

「多少、顔なじみなので」

急に逃げ出すようなことない。
でも、相手は野良ネコだ。
それなりの警戒心は持っている。

「私を避けるように物陰に隠れたみたいなんだけど」

そこから、尻尾だけが見えていた。

(No.907-2へ続く)

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