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2019年5月

ホタル通信 No.394

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.406 自分磨き
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

詳細は思い出せませんが、“何か”を狙った商業的な匂いがプンプンしますね。

話の主軸である、自己研鑽の話は実話です。小説を書いた当時もそうですが、今でもそれを続けています。本来であれば、相当の知識が身に付いているはずですが、“続けている”だけで実力は当時のままです。
そもそも、英語の勉強の仕方が分かっていません。でも、欲だけは一人前にあり、空回りを繰り返しながら今に至っています。

冒頭、“何かを狙っている”と書きましたが、何だか分かりますか?
その答えですが、自己研鑽から磨くという言葉につなげ、磨くからメッキが剥がれる・・・といった所に行き着いたと思います。
つまり、“自己研鑽”と“メッキが剥がれる”の相性が良いことに気付き、後者を格言のように書くことを狙ったわけです。
多分、自己研鑽を主軸に書き始めたとき、何となくゴールというかオチが見えたんでしょうね。
それが分かると、“それに”なるように、“らしく”話を作り上げて行くわけですから、狙った感が強く出てきます。

まぁ、無難な小説とは思いますが、心には響きませんね。自分で言うのも何ですが。
T394
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[No.908-2]気まずい関係

No.908-2

「それって、“あるある”だよね」

以前からの友達に飽きたわけではない。
増してや嫌いになったわけでもない。

「ただ、なんて言うか・・・」

思春期は、日々価値観が変わると言っても良いくらいだ。
新しい環境はよりそれを刺激する。

「そうね、今までと違うタイプの人にも出会うから」

俗っぽく言えば、人の好みが変わる。
友人だけではなく、好きな男性のタイプだって・・・。

「あれから、10年か・・・」
「なに、ババ臭いこと言ってるのよ!?」

目の前の友人は、新しい友達の方だった。
趣味が同じで、仲良くなるまでに時間は掛からなかった。

「私とくっついて良かった?」
「良かったから、こうして今に至ってるんじゃない?」

高校や大学は別々だった。
でも、私たちは離れなかった。

「一生の友達が出来る時期だよね、中学生って」

くっついたり、離れたり・・・。
そうやって、人は成長を続ける。
S908
(No.908完)
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[No.908-1]気まずい関係

No.908-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
くっついたり、離れたり、5月はそんな季節だ。

「何の話?」
「ほら、あれよ・・・」

目の前に中学生らしい集団が居る。
制服もようやく板についてきたように見える。

「思い出さない?」

中学に入学した頃・・・
しばらくは以前からの友達と共に行動することが多かった。

「あぁ、そのことね」

そんなにすぐに友達ができるわけじゃない。
休み時間にもなると、皆が教室を行き来した。

「でも、今頃になると」

その光景はほとんど見掛けなくなる。
理由は簡単だ。

「新しい友達ね」

いつしか、教室を行き来することもなくなる。
気付けば、教室内に居ることが増えた。

「逆に以前の友達と疎遠になるんだよね」

今までが嘘のように疎遠になる。
疎遠どころか、廊下でバッタリ会うと、気まずいくらいだった。

(No.908-2へ続く)

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[No.907-2]頭隠して・・・

No.907

「それって・・・」
「まさしく、頭隠して・・・なんとやら・・・でしょ?」

本人は隠れているつもりらしい。
でも、尻尾が丸見えだった。

「それがなんともおかしくて」

つい、かまいたくなってしまった。

「ちょっと、驚かしてやろうかな・・・と」

忍び足で、後ろからそっと近づいた。

「そしたら、ようやく私の存在に気付いて」

その時の驚きようは、今でも脳裏に焼きついている。
動画を撮っていなかったのが悔やまれる。

「あんたも悪ね~」
「そんなつもりはなかったんだけどね」

ただ、結果的にかなり驚かせてしまった。

「で、ネコは?」
「そりゃ、一目散に逃げ出して・・・」

近くの草むらに消えていった。

「でも、また、尻尾が見えてるんだもん!」

一本ネジが抜けているというか、ドジなのか・・・。

「まるで私みたいで、笑っちゃうよ」
S907
(No.907完)
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[No.907-1]頭隠して・・・

No.907-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「プッ!それでも隠れたつもり!?」

その間抜けな行動に、思わず声が出てしまった。

「朝からなんだか楽しそうじゃない?」
「だってぇ~」

朝のあの光景が頭から離れない。

「・・・もしかして、新しい彼でも出来た!?」
「えっ!?なんで知ってるのよ!」

出来たことではなく、“別れた”ことを。

「あらそう・・・」
「全く・・・もぉ・・・」

その落胆振りは、私のことを気遣ってのことだろうか。
いや、多分・・・違う。

「じゃあ、なに?」
「今日、会社に来る前に・・・」

一匹のネコが前方から歩いてきた。
時々見掛ける、茶色いネコだ。

「多少、顔なじみなので」

急に逃げ出すようなことない。
でも、相手は野良ネコだ。
それなりの警戒心は持っている。

「私を避けるように物陰に隠れたみたいなんだけど」

そこから、尻尾だけが見えていた。

(No.907-2へ続く)

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ホタル通信 No.393

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.471 どかん
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

どかんは実在しており、それが無くなってしまったのも事実です。ただ、シチュエーションはかなり異なります。

まず、どかんがあった場所は、学校の近くではなく、家の近くでした。また、土手の下を貫通するかのような感じで、それが存在していました。
尚、貫通していると表現したものの、出口がどこにあるのかは分かりません。周囲の状況からすると出口はなく、先細りしながら地中に消えてしまっているような感じでした。
従って、中は真っ暗で、さすがにわんぱくだった私でも躊躇するような状況でした。

学校を舞台にしたのは、物語の進行がスムースに行くと考えたからです。冬のホタルは唐突に話が始まることが多いものの、あまりにも“どかん”の存在は非日常すぎます。
そのため、唐突に登場してもさほど違和感がない、子供の頃の想い出とすることにしました。

どかんがあった場所は、今は道路に変わり、その周辺も開発が進み、昔とは一変しています。
あの真っ暗などかんの先はどうなっていたのでしょうか?今でも謎のままです。
T393  
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[No.906-2]春の衝撃

No.906-2

「・・・花びら?」
「い、いや・・・その・・・ごめん」

エイプリフールとは言え、少し度が過ぎたようだ。
病気やケガは、嘘じゃ済ませられない。

「ごめん・・・エイプリフールにちなんで・・・」
「・・・本当に心配したのよ」

彼女の表情がみるみるうちに曇ってくる。

「心配かけて、本当にごめん!」
「本当に本当に・・・」

曇り空は、大雨に変わった。

「・・・でも、良かった・・・何事もなくて・・・」

あらためて彼女を好きになった。
ここまで僕のことを心配してくれるなんて・・・。

「花びらが頭に当たったので・・・それで」
「・・・もう、いいよ」

少しずつ、晴れ間が見え始めた。

「私、こんな嘘付く人、嫌い!・・・別れましょ?」
「・・・えっ!?嘘でしょ・・・」

急に雷が落ちてきた気分だ。

「そうよ、嘘よ」
S906
(No.906完)
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[No.906-1]春の衝撃

No.906-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
(ちょっと、からかってみるか・・・)

「いてて・・・」
「どうしたの?!頭をおさえて・・・」

エイプリルフールにちなんで、軽い嘘を付くことにした。

「さっき、上から物が落ちてきて・・・」
「えっ・・・だ、大丈夫?」

思いのほか、彼女が心配している。
あまり、大袈裟にならなきゃいいが・・・。

「大丈夫、大丈夫!」
「血は?傷は?それから・・・」

今になって後悔する。
この手の嘘は控えた方が良かったかもしれない。

「ほんと、大丈夫だから・・・」
「だめよ!後から症状が出ることもあるし」

・・・やばい。
救急車でも呼ばれそうな勢いだ。

「ほんとうに大丈夫だよ!」
「だって当たったのは・・・」

散り行く“桜の花びら”だったからだ。

(No.906-2へ続く)

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[No.905-2]ぼっこ

No.905-2

「仕方ないぁ・・・」
「聞き耳を立ててごらん」

彼が私を軽く引き寄せる。

「ほら、彼女たちの話・・・」

どうやら観光のために、ここを訪れているようだ。
冷静になってみれば、スーツケースだって持っている。

「・・・あっ!」
「だろ?」

彼が言った“言葉”の意味が分かった。

「道産子?」
「・・・多分な」

その言葉に混じって、ローカルな話題も出ていた。

「私も久しぶりに聞いたよ、その言葉・・・」

もう何年間も口に出したことがない。

「俺らも、こっちの言葉に染まっちゃったからな」
「・・・そうね」

忘れたつもりも忘れるつもりもなかった。
けど、結果的にそうなってしまった。

「二人でいる時くらいは、昔に戻らないか?」
「私も同じ考えよ」

そう言えば彼と知り合うきっかけもこの言葉だった。
S905
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[No.905-1]ぼっこ

No.905-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「・・・なによ、さっきからニヤニヤしちゃって」

横目でチラチラしながら顔をニヤ付かせている。

「あっ・・・そうだっけ?」

軽く、とぼけているところが憎らしい。
まぁ、確かに私よりは、かわいい子たちだけど・・・。

「そんなに気になる?」
「まぁ・・・な」

今度は軽く開き直っている。

「随分、ハッキリ言うわね・・・」
「そりゃそうだろ?」

逆に、何が“そりゃそうだろ?”と聞きたくなる。

「久しぶりに聞いたよ、その言葉」
「えっ!?言葉・・・」

どうやら、私が何か勘違いしているようだ。
でも、そのニヤけ顔は一体・・・。

「彼女たちのこと、横目でチェックしてたよね?」
「あはは・・・それで機嫌が悪いの?」

彼が笑いながら答えてきた。

「もぉ!なによ!?」
「ごめん、ごめん、どんな人か気になってね」
「やっぱり、気になってるじゃない!?」

繰り返すけど、私よりは少しだけかわいい子たちだ。

(No.905-2へ続く)

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ホタル通信 No.392

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.498 つなぐ
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

青臭い青春ドラマのようですが、実話度は高めです。このようなことが実際に起こりました。

実際は、一走目と二走目の間でバトンパスが途絶え、三走目とアンカーが立ちすくむ結果となりました。話の展開上、アンカーのみ、走れなかったことにして、喪失感を演出してみました。
今でも鮮明に覚えています。帰りの電車は、ある意味、地獄でしたね。本来、結果が良くても悪くても盛り上がるはずの大会でしたが、こんな結末を迎えるとは誰も想像していませんでした。

確かに、いつでもその危険性はあったものの、練習することでリスクを最小限に抑えてきたつもりでしたが、悪夢としか言いようがありませんでした。
この話は他人の出来事を描いたものではなく、紛れも無く作者の身に起こった出来事です。ちなみに私は、二走目だったのでバトンを貰い損ねた側でした。バトンを貰えず、受け渡しの範囲を超えてしまった時・・・脳裏に焼き付いて離れません。

尚、マネージャーは居なかったので、この部分に関しては全て創作です。
さて、突然ですが、ここで冬のホタルの秘密をひとつお話すると登場人物の組み合わせで、「男と男」は一度もありません。必ず「男と女」か「女と女」です。これが何を意味しているのか・・・。
T392
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[No.904-2]そこに山があるから

No.904-2

「中学生になったら」

通学路が変わり、山がある道を通らなくなった。

「そこから記憶が曖昧になってる」
「今、その場所は?」

その場所どころか、一帯が住宅街に変わった。
かろうじて、山があった場所だけは記憶に残っている。

「だから、いつ無くなったのかは不明」

今でも残っていたら、間違いなく立入禁止になるだろう。

「そりゃそうよ・・・ケガでもしたら大変な時代だもん!」
「まぁ、古きよき時代の話さ」

そんな歳でないけど、ふとそんなことを思い出した。

「登ってみたくなったわ」

彼女が目を輝かせている。

「そんな趣味あったっけ?」
「ううん、ヤンチャなだけよ」

何とも彼女らしいセリフだった。

「頂上から見る景色が、きれいでさ・・・」

絶景が見えるわけじゃない。
それなのに、そこに陣取り、遠くを眺めていた。
S904
(No.904完)
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[No.904-1]そこに山があるから

No.904-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
いつ無くなったのか、ハッキリとは覚えていない。
気付けば無くなっていた。

「やま?・・・マウンテンの?」
「そうだよ」

家の近くに、山があった。
とは言え、子供たちが名付けた通称に過ぎないが・・・。

「物心付いたら、そこにあったんだよね」

高さは、二階建ての家ほどだったと思う。
ただし、あくまでもの子供の感覚だ。

「何かの目的で土砂が盛られていたと思うけど」

でも、誰かが管理しているようには見えなかった。
立て札もフェンスも何もなかったからだ。

「出入り自由?」
「あぁ、全くのフリー状態」

そうなると子供たちの格好の遊び場になる。

「でも、危なくない?結構、高そうだけど・・・」

確かに今では考えられないかもしれない。

「ケガのひとつやふたつ、当たり前の時代だったからね」

それを肯定するわけじゃない。
でも、それが普通だった。

(No.904-2へ続く)

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