[No.899-1]YATAI
No.899-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「・・・近くない?」
「みたいだな」
久しぶりに、あの定番のメロディを聞いた。
今も昔も変わらないようだ。
「どうする?」
「なによ、誘ってるの?」
会社帰り、偶然、違う部署の同期と出会った。
「腹が減っただけだよ!?」
「あら・・・そぉ?」
あからさまに言われるとそれはそれで寂しい。
相変わらず、乙女心を分かっていない。
「で、どうする?」
「そうね・・・」
そうこう話している内に、どんどん音が近づいて来る。
仕方ない・・・。
「まぁ、その誘いにのってあげるわ」
「だから、そうじゃなくて・・・」
あの頃と変わらない、青臭い会話が続く。
「ほら、見えてきたわよ」
「ほんとだ!」
驚くほど、ノスタルジックな屋台が少し先で停まっていた。
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