[No.896-2]グライコ
No.896-2
「・・・何よ?」
「鳩が豆鉄砲・・・みたいな顔をして」
(今、“グライコ”の話をしているよな?)
自分で自分に問い掛けてみた。
「い、いや・・・今さぁ・・・」
「グライコの話、してるよな?」
今度は口に出して確認してみた。
「最初から、そうでしょ?」
「・・・そ、そうだな」
何がなんだか分からなくなってきた。
「父親から譲り受けて」
「インテリアとして使ってたわ」
レトロ好きな彼女らしい。
必要以上の重厚感がいかにも“昔”だ。
「グライコ、知ってたんだ・・・」
「知らないと思ってたんでしょ?」
僕の思い込みが、話をややこしくしてしまった。
「で、そのグライコがなに?」
「・・・何だっけ・・・な」
(No.896完)
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