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[No.894-1]雲の切れ間

No.894-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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天気と気持ちは同期しやすい。
けど、それは自分に対する言い訳だ。

「今日もどんよりしてるね・・・」
「いつものことでしょ?」

年末年始を北海道で過ごした。
帰省も兼ねて、古くからの友人を訪ねた。

「そうだっけ?」
「もぉ!すっかり、東京人なんだから」

年末年始の帰省は10年振りだ。
もちろん冬の北海道も。

「何だか気分も晴れないね」

特別、悩みごとがあるわけじゃない。
恋愛だって、悩みと言えば“相手がいない”くらいだ。

「天気に八つ当たり?」
「ち、違うわよ!」

でも、このどんよりした気持ちは、天気そのものだ。
加えて言えば、今にも泣き出しそうな空だ。

「でも、雨じゃなくて雪だけどね」

友人がチャチャを入れてくる。

「分かってるわよ!」

少しだけイラ付いている私が居る。

(No.894-2へ続く)

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