[No.893-2]覚えている理由
No.893-2
「ほら・・・食事や買い物とかしてたじゃん?」
二度目も三度目も最初の出会いから、かなり離れている。
場所も時間も。
「それなのにまた出会うなんて・・・」
これを運命の出会いと言わずして何と言うべきか。
「気持ちは分かるけど“出会って”はないよね?」
「単にすれ違っただけの話でしょ?」
そう言われると見も蓋もない。
確かに私が意識しているだけだ。
「でも、すごい偶然だとは思わない?」
「まぁ・・・それに関して言えばそうね」
二度ならぬ三度までとは・・・。
偶然にしては、かなりの確立だろう。
「こんな人ごみの中・・・だよ」
「それなら“四度目”があったら、声掛けてみなよ!」
友人がかなり無責任なことを言い放った。
けど・・・そうしたい気持ちがないわけではない。
「・・・向こうは覚えてるかな?」
「あなたが覚えてた理由と同じならね!」
(No.893完)
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