[No.892-1]ひとつと半分
No.892-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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彼と私では食の好みがかなり違う。
「どれにする?」
「私は・・・これ!」
チーズがたっぷり入っているパンを手に取った。
今にもこぼれ落ちそうなくらいとろけている。
「ほんと好きだよな?」
「俺は絶対無理!」
彼はチーズが嫌いだ。
それにチーズだけでなく、乳製品全般がダメらしい。
「そう?美味しいのに」
味だけではなく、匂いさえも受け付けない。
「俺のパンにくっつけるなよ!?」
「分かってるわよ、大袈裟ね!」
トレーには私と彼が選んだパンが仲良く並んでいる。
彼のパンはカレーパンだ。
「私に言わせれば、よくそんなクドイの食べられるね?」
私は揚げたパンが苦手だ。
「そう?美味しいのに」
さっきの私と同じセリフを返してきた。
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