[No.890-1]ガラクタ
No.890-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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「これ何だか分かる?」
彼が奇妙な物体を差し出してきた。
「・・・土器?」
それこそ、社会の教科書に出てきそうな物だ。
いかにも陶器と言わんばかりの色をしている。
「・・・なわけないだろ?」
「それもそうね」
手のひらサイズで、全体にゴツゴツした作りだ。
何かを入れる皿のようにも見える。
「・・・で、結局なに?」
長引きそうなので結論を急いだ。
「灰皿」
「・・・はいざら・・・って、たばこの?」
聞き返したものの、普通、灰皿と言えばそれしかない。
「見えない?」
「まぁ、そう言われて見れば見えなくもないけど・・・」
石鹸を乗せるのに丁度いい大きさと形だ。
「ここに・・・」
ゴツゴツした所に、たばこを置いてみせた。
意外と凝った作りになっている。
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