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[No.889-2]夢の余韻

No.889-2

「何か恋愛に不安でも?」

察してか、彼女が冗談とも思えない表情で聞いてきた。

「それはないけど・・・」
「・・・ならいいんだけどね」

年の瀬を前に、自ら不安を演出してしまった。

「ごめん、変な話をして」
「それだけ、印象に残った夢だってことでしょ?」

あくまで夢は夢・・・そんな言い方だった。

「そういうことだね!」

自分に言い聞かせるように言い放った。
ある意味、はた迷惑な夢だった。

「ところで相手は誰だったの?」
「えっ!?」

なぜかしら、相手が誰であったかだけは覚えている。
彼女ではない・・・でも、言えない・・・。

「覚えてないなぁ・・・」
「そう・・・少なくとも私じゃなければいいけどね」

夢の余韻はせつないけれど、なぜか温かい。
S889
(No.889完)
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(036)小説No.876~900」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。

ラストのお互いの言葉に、二人の心の奥底にあるかもしれない、色々な言葉や想いに想像を掻き立てられました♪

またお邪魔します。

投稿: mika | 2019年1月10日 (木) 21時39分

はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。
約5年ぶりにコメントを頂きました(笑)

自己満足のブログですが、またお越しください。
質はともかく数だけはたくさんありますので

投稿: Re:mikaさんへ | 2019年1月11日 (金) 23時46分

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