« ホタル通信 No.382 | トップページ | [No.885-2]100円ライター »

[No.885-1]100円ライター

No.885-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・たばこ止めてないんだ?」

最近、何かと風当たりが強いのは理解している。
それに金銭的にも楽ではない。

「それなら、止めればいいのに」
「そう簡単に行かないよ」

同窓会に来てまで、元カノの小言を聞く羽目になった。
相変わらずの性格だ。

「私がプレゼントしたライターはどうしたの?」
「えっ!?あ、あれは・・・」

まず、覚えていることに驚いた。
とっくに忘れているものだと思った。

「そう、驚かないでよ」
「無くした?それとも・・・捨てた?」

後者の言葉が、やや強めだったのが気になる。

「ごめん、無くした・・・」

この場を逃れるための嘘ではない。
本当に無くした。

「そう・・・」
「で、でも君からもらったモノだけじゃなくて・・・」

なぜか、100円ライター以外のモノを無くしてしまう。
逆に言えば、100円ライターは無くさない。

「自分で買ったライターも・・・」

気付けば無くなっている。
置き忘れたのかどうかさえ分からない。

(No.885-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.382 | トップページ | [No.885-2]100円ライター »

(036)小説No.876~900」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.885-1]100円ライター:

« ホタル通信 No.382 | トップページ | [No.885-2]100円ライター »