[No.885-1]100円ライター
No.885-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「・・・たばこ止めてないんだ?」
最近、何かと風当たりが強いのは理解している。
それに金銭的にも楽ではない。
「それなら、止めればいいのに」
「そう簡単に行かないよ」
同窓会に来てまで、元カノの小言を聞く羽目になった。
相変わらずの性格だ。
「私がプレゼントしたライターはどうしたの?」
「えっ!?あ、あれは・・・」
まず、覚えていることに驚いた。
とっくに忘れているものだと思った。
「そう、驚かないでよ」
「無くした?それとも・・・捨てた?」
後者の言葉が、やや強めだったのが気になる。
「ごめん、無くした・・・」
この場を逃れるための嘘ではない。
本当に無くした。
「そう・・・」
「で、でも君からもらったモノだけじゃなくて・・・」
なぜか、100円ライター以外のモノを無くしてしまう。
逆に言えば、100円ライターは無くさない。
「自分で買ったライターも・・・」
気付けば無くなっている。
置き忘れたのかどうかさえ分からない。
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