[No.883-2]人待ち顔の猫
No.883-2
「もしかして、人待ちなのかな?」
ちゃっかり、エサにありつけているのかもしれない。
なにせ、学校の近くだ。
「誰かエサでもあげてるんじゃないのかな~」
「私もそう思うんだけど」
ただ、ひとつ引っ掛かることがある。
私の登校時間は結構遅い方だ。
「どういうこと?」
「だって、ほとんどの生徒は登校済でしょ?」
もし、私より前に登校する人がエサをあげているとしたら・・・
もう待つ必要はないはずだ。
「見事な推理ね」
「だから、私より遅い人・・・ってことね」
もちろん、学生じゃない可能性もある。
けど、あの時間、あの場所ならそう考えるのが妥当だ。
「そう思わない?」
あんな薄汚い猫にかかわるくらいだ。
よほど猫好きで遅刻寸前に教室飛び込んでくるやつだろう。
「どう私の推理は?」
「・・・あれ?・・・そう言えば・・・」
(No.883完)
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