[No.880-2]憎めない存在
No.880-2
「なんで分かるの?」
「まぁ、女の勘ね!」
確かに年齢的にはそんな感じがする。
「声は覚えてる?」
「覚えてるけど、それ以上に・・・」
友達感覚のしゃべり方であれば、その子に間違いない。
「じゃ、呼んでみようか?」
「ちょ、ちょっと・・・」
時すでに遅く、その子にお冷のおかわりを頼む。
ほどなくして、それがテーブルに届いた。
「・・・多分、そうね」
「だな」
声を知らない彼女でさえ、そう断定できる。
「確かにフレンドリーね」
「けど、全然、嫌な感じがしないから不思議」
彼女も受け入れられるようだ。
「だろ?でも、分かる気がする」
本人を目の前にして、余計そんな気になった。
「憎めない人ね」
「あぁ、全く・・・」
そんな彼女もその一人だ。
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