[No.880-1]憎めない存在
No.880-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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一般的にはアウトかもしれない。
でも、なぜか気分を害さないから不思議だ。
「昨日、この店に予約を入れたんだけど・・・」
「・・・何かあった?」
ダメもとで予約してみた。
すると、前日にもかかわらず席が確保できた。
「席が空いてて驚いたんだけど」
「それ以上に驚くことがあって」
店の人には悪いが、いわゆる高級店ではない。
とは言え、極端にカジュアルでもない。
「なになに!?」
予約の電話には女の人が対応してくれた。
「その人の対応がさぁ・・・」
悪く言えば、馴れ馴れしい。
良く言えば、フレンドリーな言葉遣いだった。
「友達以上に友達と話しているみたいだったよ」
ただ、不思議と嫌な感じにならなかった。
むしろ、笑みがこぼれてしまうほどだった。
「なんか、ひょうひょうと対応するんだよね」
「いるよね、そんな人」
客によっては激怒されるかもしれない。
そんな危険性はあるだろう。
「多分、あの子じゃない?」
彼女がひとりの店員を、こっそりと指差した。
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