[No.878-2]以心伝心?
No.878-2
「でも、良い経験になったのは間違いない」
「だね!」
あれからもう、5年の月日が流れた。
「で、話を戻すけどこの報告書は?」
「あぁ・・・そうね、読んでみて」
同僚が文字を目で追い始めた。
「・・・これ」
「暑苦しくない?」
当時、思いのたけを報告書に託した。
「そうね、自分でもそう思う」
一言で言えば、学生に毛が生えた程度の未熟な内容だ。
でも、会社に染まっていない分、思いだけは“熱い”。
「なるほどね」
「・・・そういうこと!」
以心伝心とは、まさしくこのことだ。
さすが同期だ。
「これ読んでたら、今の自分が恥ずかしくなっちゃって」
仕事に不満はない。
けど、これを見たとき、考えさせられるものがあった。
「色んな意味で臆病になってるのかもね」
失敗を恐れ、チャレンジしようとしない。
「じゃぁ、今度、一席設けるわ!」
「えっ!?そっち・・・・」
(No.878完)
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