« [No.877-2]夢を描け | トップページ | [No.878-2]以心伝心? »

[No.878-1]以心伝心?

No.878-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・どうしたの?やけに静かじゃない?」
「そう?」

返事はしたものの、心ここにあらずだ。
それは自覚している。

「さては、また失敗でもしたな?」
「“また”ってなにさ?」

同僚には、今の私がそう見えるようだ。

「違うの?」
「そうそう失敗ばかりしてられないわよ!」

今回ばかりは、ちょっと違う理由だ。

「じゃあ、なに?」
「さっきから、ずっと黙ったままじゃない?」

落ち込んでいるとか、元気がないわけじゃない。

「・・・これ見てくれる?」
「なにこれ?」

昨日、書類を整理していたら出てきた。

「見ての通り、報告書」
「・・・これ、あの時の?」

私たちは営業部門に配属された。
配属後は、しばらく取引先の店頭応援に借り出された。

「あの時は、大変だったよね・・・」

研修扱いとは言え、現場で接客もした。
誰もが必死だったことを覚えている。

(No.878-2へ続く)

| |

« [No.877-2]夢を描け | トップページ | [No.878-2]以心伝心? »

(036)小説No.876~900」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.878-1]以心伝心?:

« [No.877-2]夢を描け | トップページ | [No.878-2]以心伝心? »