[No.878-1]以心伝心?
No.878-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「・・・どうしたの?やけに静かじゃない?」
「そう?」
返事はしたものの、心ここにあらずだ。
それは自覚している。
「さては、また失敗でもしたな?」
「“また”ってなにさ?」
同僚には、今の私がそう見えるようだ。
「違うの?」
「そうそう失敗ばかりしてられないわよ!」
今回ばかりは、ちょっと違う理由だ。
「じゃあ、なに?」
「さっきから、ずっと黙ったままじゃない?」
落ち込んでいるとか、元気がないわけじゃない。
「・・・これ見てくれる?」
「なにこれ?」
昨日、書類を整理していたら出てきた。
「見ての通り、報告書」
「・・・これ、あの時の?」
私たちは営業部門に配属された。
配属後は、しばらく取引先の店頭応援に借り出された。
「あの時は、大変だったよね・・・」
研修扱いとは言え、現場で接客もした。
誰もが必死だったことを覚えている。
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