[No.877-2]夢を描け
No.877-2
「でも、なかなかいいじゃん!」
「“夢を描け”なんて」
正直、それくらいの文字数が限界だった。
「よほど、スペースがなかったみたいね?」
「だから、女子が・・・」
ただ、結果的にはそれが良かった。
今でもこうして忘れずに済む。
「で、夢は描けたの?」
「・・・痛いとこ、突いてくるな」
今思えば、色気づいた小学生のたわ言だった。
夢どころか、現実さえ描けていない。
「ご覧のとおりだよ」
「ふ~ん」
何となく就職して、何となく日々を過ごしている。
「今からでも遅くないんじゃない?」
「“夢を描け”ってか!?」
ドラマや映画でよくあるパターンだ。
けど、青春するような年齢でも立場でもない。
「ねぇ、二人で描いてみない?」
「・・・あっ!告白じゃないからね」
仕方ない・・・芸術の秋じゃないけど描いてみるか・・・。
(No.877完)
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