[No.874-2]まわりくどい話
No.874-2
「で、何だよ?」
「何って何よ?」
やや、逆切れ気味に返してきた。
「だから、“甲羅干し”の話だよ?」
「そ、それはねぇ・・・」
何とも煮え切らない態度だ。
「単なる世間話よ」
「今朝、見たままを話しただけ!」
(はぁ?)
女子特有の特に意味がない話だ。
聞かれたら女子を敵に回しそうだけど。
「だったら、もういい?」
わざわざ呼び止めたくせに・・・これだ。
さっきから友達を待たせている。
「待ってよ!もう・・・」
これ以上、話に展開があるとは思えないが。
「ほら、人間も日光に当たらないといけないよね?」
「・・・だから?」
言い放った瞬間、意を決したような表情に変わった。
「つ、つぎの日曜日、日光に当たりに行かない!?」
デートのお誘いだということに、しばらくしてから気付いた。
(No.874完)
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