[No.871-1]思い付かない選択肢
No.871-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「えっ!・・・そ、そうだね」
予期せぬ展開になってきた。
「じゃあ、社内便で送りますね」
大したことじゃない。
でも、まるで学生時代に戻ったかのようだった。
「2~3週間、借りてて大丈夫?」
最近、本らしい本を読んでいない。
そのため、読破するのに慎重になった。
「全然、大丈夫ですよ」
それに夜遅く帰宅してから本を読むのは至難の業だ。
格好の睡眠薬になるからだ。
「ありがとう」
彼女が最近読んだ本の話をしてきた。
その話に何となく付き合っていた。
「じゃぁ、楽しみに待ってる」
その割には、調子良く答えてしまった。
大袈裟だけど、罪の意識を感じずにはいられない。
(・・・とは言え、読むのは大変そうだな)
小説ではない、いわゆる実用書だ。
それも、全くの専門外だ。
「ふぅ~」
話がついた後、何とも表現しがたい感情が表に出た。
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