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[No.866-1]茜色の空

No.866-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「ごっ、ごぉめん!!」

約束の時間より1時間近くも遅刻してしまった。

「ほんとにごめん!」

電車が大幅に遅れたのが原因だ。

「大変だったわね?」
「・・・怒ってないの!?」

拍子抜けするほど、落ち着いた対応だった。

「だって、あなたのせいじゃないでしょ?」
「う、うん・・・」

ただ、手放しでは喜べない。
家を出た時間も決して早くはなかったからだ。

「ごめん、もう少し早く家を出てたら・・・」

電車の遅れに巻き込まれることもなかった。

「それは結果論」
「いつも最悪の事態を想定しておくわけにもいかないでしょ?」

彼女にしては、珍しく冷静な発言だった。

「それに、今まで遅れてきたこともないからね」

今までの信用も大きいようだった。

「だから、別に気にしてないよ」

とは言え、どうもすっきりしない。
電車の遅れがなくとも、間に合わなかった可能性があるからだ。

(No.866-2へ続く)

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