[No.865-2]彼との出会いも
No.865-2
「で、ある時、偶然その曲の“先”を聞いちゃったんだ」
FM放送だったと思う。
店内に、その曲が流れ始めた。
「別に耳をふさぐ理由もないから」
「そりゃそうよね」
特に意識もせず、聞いていた。
「そしたら・・・」
「もしかして・・・いい曲だったとか!?」
私が言うまでもなく、友人が先に答えてくれた。
「そう!すごくいい曲で」
触手が向かなかったイントロさえ、そう感じるようになった。
そうなると、“いい曲感”が止められない。
「言わば、食わず嫌いだったみたい」
「でも、その時々の心境も影響するんじゃない?」
友人にしては珍しく良いことを言った気がする。
「そうね・・・それはあるかもしれない」
いずれにせよ、時々、こんな経験をする。
「私と彼の出会いもそんな感じだったなぁ!」
「・・・聞いてないし!!」
(No.865完)
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