[No.863-2]今年の夏は
No.863-2
「そう!あれは絶対彼女よ」
そう思い込むのも無理はない、場所が場所だけに。
「そう思いたいね」
友人もオカルト的なものを信じているわけじゃない。
そうあって欲しいと願っているだけだ。
「単なる偶然だったのかなぁ・・・」
一昨年は、ミツバチが供えた花に寄ってきた。
周りに、沢山の花があるのにもかかわらず。
「今年は彼女も忙しいんじゃない?」
「・・・そうかもね」
何となく場を繋いだが、そんなことあるわけがない。
それはお互い、分かっている。
「きっと、どこかで見守ってくれてるよ」
「そうね・・・そうよきっと!」
さっきまで不機嫌だった顔が明るくなる。
それに、そうこう話しているうちに、目的地に到着した。
「さぁ、降りるわよ」
その時、あることに気付いた。
「うそ・・・運転手の名前」
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